JAPANESE CHESS REPORT.

ホーム > トリビア > 将棋関連記事「転載」まとめ > 谷川浩司


A級順位戦陥落の谷川浩司九段 プラス思考で復帰狙う



 将棋界の最高峰リーグ、第72期名人戦・A級順位戦は今月7日、全日程を終え、森内俊之名人(43)への挑戦権を羽生善治3冠(43)が獲得した。一方、A級連続在籍(名人を含む)が歴代2位の32期となっていた谷川浩司九段(51)=神戸市東灘区=は、最終局には勝ったものの2勝7敗で陥落した。今期を谷川九段に振り返ってもらった。(金川 篤)

 ‐A級陥落が決まった1月10日は、自分の対局はなかった。

 「1月7日に渡辺さん(明2冠)に負けて1勝6敗となった時点で陥落は覚悟していた。10日は自宅で、自分の陥落に関わる対局をインターネット中継で見ていた。A級陥落や名人挑戦は最終局で決まるのが望ましいので、そこまで盛り上げられなかった責任は感じる」

 ‐残念な結果になった。

 「これまでもA級陥落の危機はあったが、ファンの『谷川はA級がふさわしい』という期待もあって乗り越えてきた。今回は期待に応えられず残念。連続在籍歴代2位の記録の価値は、自分のことなのでよく分からない」

 ‐A級でやり残したことは。

 「囲碁界では50歳上と下の棋士と戦って時代をつなぐという意味の『100年をつなぐ』という言葉があるらしい。私が1982年に初めてA級に昇級した時は39歳上の大山先生(康晴15世名人)がリーグに在籍していて、そこから考えて60年ほどはつないだと思うが、もう少し伸ばしたかった。渡辺さんより下の世代、例えば豊島君(将之七段、23歳)と戦いたかった」

 ‐引退は考えたか。

 「21歳で最年少名人になってから、引き際についてはずっと考えている。しかし順位戦は棋戦の一つ。その結果だけで進退を決めるのは他の棋戦に失礼だと思うので、引退は考えなかった。まだ51歳。いま引退したら、これから何を楽しみにしていけばいいのか(笑い)」

 ‐一昨年12月から日本将棋連盟会長を務める。

 「他の棋戦を含め、昨年9月ごろまでは充実した結果を残していたが、秋に失速した。調子のバイオリズムは何とも言えないが、このころから会長の仕事が忙しくなったのは事実。長いときには9泊10日で東京へ行き、会長の仕事の合間に対局に臨んだこともあった。対局への影響に気をつけなければいけないと思っていたが、悪い予感が当たった」

 ‐次期の順位戦への思いは。

 「A級はここ15年ほど羽生さんの世代が中核を占め続けており、若い世代は少しだらしがない。来期、初めてA級で戦う阿久津君(主税八段、31歳)と広瀬君(章人八段、27歳)が勢力図を変える契機になるかもしれない。私が戦うB級1組には、対戦機会が少ない若手もいるし、10人のA級よりも多い13人で争う。環境が変わることをプラスにしたい。A級復帰のチャンスはあると思っている」



2014/3/21

転載元:神戸新聞NEXT





-Contents-

・各種記録

・レポート

・棋士について

・名言集

・動画で見る将棋界

・他サイト様LINK集

-将棋レポート-

HOME RECORD REPORT KISHI TRIBIA MOVIE LINK

Copyright 2012-13H.I.All Rights Reserved.